第50回なんでも症例検討会@広島
【第50回なんでも症例検討会へお邪魔しました】
国家試験までもう50日を切りましたが、模擬試験での「そんなの知らんがな」の嵐に飽きてきた今村です。
そんな中、12月22日(土)に、記念すべき 第50回 なんでも症例検討会(@広島大学病院 應仁会館)へ参加させていただきました。学生らしく行きは山陽本線で3時間かけて遥々と遠征したのですが、三原周辺は未だに西日本豪雨の爪痕をありありと感じるような土嚢の山や重機が至る所に残っておりました。
前半は症例検討を2題行いました。高疾患活動性のRA治療中の亜急性の発熱 +右季肋部痛の高齢女性で結核性胸膜炎であった症例と、国内旅行歴・アクティビティーの病歴聴取がカギとなった若年男性の急性発熱 +頭痛で、レプトスピラ症の症例など、非常に示唆的でした。広島の症例検討会に出てきて毎回感じるのですが、ディスカッション途中でベテランの先生方の『知らないフリ』(すッとぼけともいいましょうか)が絶妙で、若手の先生方へ気づきを与えるような『全員ファシリテート』の雰囲気が常に流れている印象を受けます。
後半では、野獣クラブでもお馴染みの萩野 昇 先生(帝京大学ちば総合医療センター)の『不明熱の診断』のレクチャーを拝聴しました。萩野先生とは、今年の日本リウマチ学会2018でお声かけしてから、私が実習中に執筆させていただいたケースレポートへもコメントをくださったりと、著書にとどまらず私が勉強させていただいている先生で、今回の参加に至ったきっかけでもあります。レクチャーでは、非感染性炎症性疾患(NIID)の概念や、不明熱疾患を追い詰める過程で感染症を正しく除外する態度や知識がいかに重要かを先生の言葉で強調していただきました。血液検査や検体検査に頼ることなく積極的な病歴聴取が診断に迫る大切なアプローチだとは一般的なテキストの文言としてはありふれています。しかし、医療者側が一般に、これは拾い上げられるだろうと過信?している重篤な症状(たとえば、眼科的な訴えや潰瘍などでしょうか。訴えの閾値が低いはずの症状、といえます)であっても、患者さんはこれは熱とは関係ないよね、と訴えてくださらないことも多々あるというギャップを意識するべき、とのメッセージは改めてハッとさせられました。これは不明熱の病歴聴取のポイントにとどまらない、我々の医療面接での目指すべき態度と思いました。
不明熱のレクチャーではありましたが、ジェネラルの裾野の広い萩野先生ならではの診療姿勢を見せていただき、見習うべきと感動しました。今回もありがとうございました!切り替えて国家試験がんばります笑
今村竜太 岡山大学医学科6年