top of page

Past Events

「若手医師、医学生のためのキャリアパスを考えるセミナー」 開催報告

【開催報告】 2018年8月4日に、島根大学客員准教授で、日本臨床研究学会代表理事である原正彦先生をお呼びして、「若手医師、医学生のためのキャリアパスを考えるセミナー」を開催しました。医学生~ベテラン医師の方まで幅広い年齢層の方々、約30名の参加がありました。

前半は、原先生にキャリア形成についてのレクチャーを行って頂きました。印象的だったのは今後の若手医師には「キャリア戦略」が必要であり自己の価値を高める(=自己ブランディング)ことが重要であるというお話です。そのためには希少性を出していくのが有効な手段であり、それぞれの分野で上位10%に入るよう努力し、それらの分野を組み合わせることにより希少性が生まれるというものです。例えば原先生は循環器内科、英語能力、臨床研究、ビジネスなど様々な分野での上位10%に入ることで1万分の1の存在になれたということでした (実際にはそれぞれで上位1%以上にいる印象ですが・・・)。それを踏まえた医学生へのアドバイスとして、まずは目の前のことに全力で取り組み上位10%を目指し、1つ1つを達成することで成功体験を積み上げ、反対勢力への抵抗力(=レジリエンス)や困難な状況を打開するための突破力を身に付けていくことが、自己実現のために大切であるというお話でした。また、情報過多の現代ではFacebookなどのSNSやNews picksなどの情報サイトから質の高い情報を能動的に得る能力を鍛えておく必要があり、そのためには英語能力も必要不可欠であることに気づかされました。

後半は、「医学生・若手医師の進路お悩み相談室」と題して、6年生、初期研修医、後期研修医の代表それぞれ1名ずつに登壇してもらい、自らの進路の悩みをプレゼンして原先生からアドバイスをもらうという企画を行いました。研修病院選びや志望科選びに悩む、6年生の藤本さんへのアドバイスは特に印象的で、進路を選んだ時には「加点マインド」が重要であり、自分が置かれた環境で何を行うのが費用対効果が高いかを常に意識し、臨機応変に対応することの重要性を話して頂きました。また、「一度決めた進路は変えることができない」というのは単なる思い込みで、特にこれからの時代は目的に合わせて進路を柔軟に変えていくことが自己ブランディングのために必要であることがわかりました。その他にも留学やシミュレーション教育、AIによる医師の仕事の代替など、多岐にわたる分野のDiscussionがあり、大いに盛り上がりました。

セミナー全体を通じて実感したことは、現在の若手医師には幅広い選択肢が用意されているがゆえに進路で迷うケースが増えているということです。一方で医師という職業の特殊性と内向性のため、進路に関して「こうしなければならない」という固定観念に捉われて思考停止状態になりがちであることもわかりました。常に「自分が何を達成したいか」を念頭に置いて、自己実現のために能動的に行動することの重要性を感じました。最後になりましたが、今回お越しいただいた、原正彦先生、サポートをして頂いたNPO法人岡山医師研修支援機構の方々と岡山大学病院総合内科の皆様、そしてセミナーに参加していただいた皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。


Recent Posts
bottom of page