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第3回瀬戸内レジデント


11月4日(土)に第3回 瀬戸内レジデントを開催しました。瀬戸内地区の研修医のネットワークづくりを目的に昨年から始まったもので、今回で3回目の開催となりました。中四国地方の初期研修医を中心に60名ほどの参加者が集まり、盛会となりました。今年は講師に、ドクターGや情熱大陸など、メディアにも多数出演されている国立国際医療研究センター国際感染症センターの忽那 賢志先生と、「救急外来ただいま診断中」や「内科救急のオキテ」などの著書で大変有名な順天堂大学医学部附属練馬病院 救急・集中治療科の坂本 壮先生をゲストにお招きし、レクチャーをして頂きました。

 忽那先生には「初期研修医が知っておくべき感染症診療の原則」というテーマのレクチャーをして頂き、症例をベースに感染症診療の原則を説明してもらいました。知っていてあたりまえの基本的な内容の中に「血培のコンタミをどう判断するか」「血培をとるのはどのタイミングが良いか」など、研修医が実臨床でよく出くわす疑問の解説が散りばめられており、大変勉強になりました。坂本先生からは「意識障害のアプローチ」についてのレクチャーをして頂きました。幅広い鑑別疾患を考える必要があり、さらに緊急度の高い疾患も隠れている「意識障害」ですが、坂本先生の「10の鉄則」に従うことで、Pitfallを避けながら診療する方法を学びました。

 レクチャー後は、3つのグループに分かれてワークショップを開催しました。「エコー」のブースでは、今研修医に大人気の「Point of Care Ultrasound」に則り、心エコー、肺エコー、腹部エコーを練習しました。基礎的なエコーを系統立って学ぶ機会は意外にどの病院でも少なく、大変好評でした。「感染症」のブースでは、研修医が経験した実際の症例をもとに、症例検討会を行いました。「インフルエンザだと思ったらカンピロバクター腸炎だった」「肺炎だと思ったら結核だった」などの失敗症例を共有することで、議論も白熱しました。「救急」のブースでは、シミュレーション教育を取り入れ、「急性腹症の3例」を実際の症例をもとに救急外来で動けるかどうか、シミュレーションを行いました。シナリオの症例も秀逸で、一筋縄ではいかない腹痛症例に、参加者も苦戦している様子でした。

 後半では、ドクターGでもおなじみの岡山大学病院地域医療人材育成講座教授の片岡仁美先生と、忽那先生、坂本先生の3人に登壇して頂き、研修医からの質問に答えて頂きました。「研修医のうちにやっておくべきことは?」「研修医中にやっておいてよかったことや後悔していることは?」などのテーマでお話を頂きました。現在大変ご活躍されている先生方も、研修医時代には様々な苦労をされており、参加者からも「自分の診療を見直すきっかけになった」「モチベーションが上がった」などの声が聞かれました。

 最後は瀬戸レジでは恒例の臨床クイズ大会でした。「心電図のV1-V6のVってなに?」や 「最も蚊に刺されやすい血液型は?」 など臨床的な知識とはあまり関係のない(?)問題ばかりを出題しましたが、学生や後期研修医など関係なく、楽しむことができました。成績優秀者には坂本先生の著書などのプレゼントが送られました。

 勉強会は指導医クラスの先生が企画するのが一般的ですが、今回の瀬戸レジは、初期研修医がコアメンバーとなり、「自分たちが参加したい勉強会、受けたいWSをつくりたい!」という思いで企画をしました。このようなスタイルの勉強会は、当事者の需要にあった内容を供給できるというメリットがあるだけでなく、研修医の段階から教育に携わるという貴重な機会になります。このような形の勉強会が今後も様々な場所で開催されると嬉しく思います。

 最後になりましたが、今回の瀬戸レジにお越しいただいた忽那先生と坂本先生、ご協力を頂いた岡山大学病院の先生方、岡山大学GIMセンター、岡山大学病院卒後臨床研修センター、中四国若手医師フェデレーションの皆様、そして参加していただいた皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。


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